IVIG投与は2-3ヶ月毎に行うことで長期効果が持続する。なお、慢性期にステロイド、免疫抑制剤併用とともにIVIG療法を行うと、複数回投与を行わなくても寛解導入できる場合もある。
一般的にIVIGのモニタリングは血清中のIgGを測定することでわかります。多くの症例は投与後2-3ヶ月間でIgG値は治療前値に戻りますが、特に、免疫抑制剤併用例では、それ以降も効果が持続する可能性があります。
IVIGの再投与は、血管炎症状の回復の程度を見て2~3ヶ月間以上の間隔を空けて投与することで、長期的な効果が得られる可能性があります。
また治療早期、つまり治療開始1ヶ月前後でIVIGを初回で投与する場合は炎症による消耗も大きく*、2ヶ月前後で効果が消失する場合がありますので、重症例、比較的治療期間が短い症例では2-3ヶ月おきに投与します。
さらに慢性期にステロイド、免疫抑制剤併用下にてIVIG療法を行った症例では、IVIGの効果が6-12ヶ月持続することもありますので、複数回投与を行わなくても寛解導入ができる場合もあります。慢性期では心病変は6ヶ月、多発単神経炎は患者さんの運動能力の違いやリハビリの仕方にも影響されますが、おおよそ1年前後の効果持続があります。
*その理由は十分に証明できていませんが、NHO相模原病院の臨床研究の結果から、治療早期のステロイドが高用量である時期はIVIG投与後の制御性T細胞の増加が軽度、あるいは増加しないことが明らかとなっています
15)。一つの仮説として治療早期は血液中にさまざまな炎症物質があり、投与されたグロブリンが炎症により消耗する可能性が推測されています。