EGPA診療Q&A

Ⅱ-3-1.IVIG療法の意義

IVIG療法の末梢神経障害に対する治療成績は?

NHO相模原病院ではステロイド、免疫抑制剤投与後も多発単神経炎が十分に改善しないEGPA15症例に対しIVIG療法を行い、13症例で1週間後にMMT(徒手筋力テスト)の有意な改善を認めた。

ステロイド、免疫抑制剤投与を行っても末梢神経障害は十分に改善しない症例が多く、IVIG療法を併用することでステロイド、免疫抑制剤による治療以上の効果を上げることが可能です。NHO相模原病院の診療成績ではステロイド、免疫抑制剤投与後も多発単神経炎が十分に改善しないEGPA15症例に対しIVIG療法を行い、13症例で1週間後にMMT(徒手筋力テスト)の有意な改善を認めています13)(図A)。

【対象】: CS with/without CYC治療に抵抗性である末梢神経障害を有するEGPA15症例(米国リウマチ学会の分類基準による)
【投与方法】:CS with/without CYC併用下でIVIG 400mg/kg/日×5日間施行
【評価項目】:MRCスケールを用いたMMT:徒手筋力検査
【結果】;末梢神経障害はCS with/without CYCでは効果不十分な症例が多いがIVIGはCS+CYCを上回る効果があり、IVIG投与1週間後に15症例中13症例にMMTの有意な改善がみられた。
重篤な有害事象はなく、IVIG治療を5日間継続できた。
※なお、安全性情報については添付文書をご参照ください。

IVIG療法はどのような末梢神経障害に有効か?
-運動障害について

IVIGの効果は神経障害の程度に影響され、障害の少ない神経線維が残存していれば有効である。また、複数回投与による改善の可能性も念頭におく。

EGPAの運動障害は多発単神経炎によるものですので、IVIGの効果は神経障害の程度に影響されるものと考えられます。前述のNHO相模原病院での成績では、筋萎縮が著明な多発単神経炎ではIVIGの効果が得られなかった症例を経験しています。しかし、罹病期間が長くても神経障害の程度、つまり障害の少ない神経線維が残存している場合は有効例もありますので、IVIG治療を行う価値はあります。また神経障害も1回のIVIG療法で完全に回復することは少ないため複数回投与を行い、徐々に改善する可能性も念頭において治療計画を立てる必要があります。

本剤を再投与した場合の有効性、安全性については検討されていません。詳細は巻末のD.I.ページの「用 法・用量に関連する使用上の注意」及び「重要な基本的注意」をご参照ください。

IVIG療法はどのような末梢神経障害に有効か? -感覚障害について

感覚障害は神経障害の中でも改善しにくく、IVIG投与後にしびれ、疼痛が軽減される症例と著効しない症例がある。その理由については十分に解明されていない。

EGPAは手袋靴下型の分布を示す末梢神経障害を起こします。発症時は疼痛に近い痺れが出現し、ステロイド、免疫抑制剤投与後もジンジン、ビリビリ、むずむずなどの痺れが残存します。感覚障害は神経障害の中でも改善しにくく、IVIG投与後にしびれ、疼痛が軽減される症例と著効しない症例があります。しびれに対してIVIGが奏功する症例とそうでない症例の違いについては十分に解明されていません。またIVIG投与直後は一時的にしびれが増強する時期がありますが、これはしびれが悪化しているわけではなく、血流増加により神経を刺激している症状と考えられます。この症状を患者さんが不快に感じている場合は、その後のリハビリでしびれが軽減することを説明します。

13)Tsurikisawa N, et al: Annals Allergy Asthma Immunol 2004; 92(1): 80-87.
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