急速進行性腎炎症候群(RPGN)の治療

急速進行性腎炎症候群(RPGN)の治療

RPGNの治療指針

  • RPGNの治療は『急速進行性腎炎症候群の治療指針 第二版』に示されているMPO-ANCA型PRGNの治療法に準拠して進める(図4)。
  • 治療開始時のグレード(表8)、年齢、透析施行の有無により治療計画を立てる。これらを4群に分類した治療法を表9に示す。

4群分類における治療指針

表9の治療法を解析した結果、各群の望ましいと思われる治療法を以下に示す。
  • 70歳以上または透析施行中のグレードⅠまたはⅡ群の患者では経口副腎皮質ステロイド(GC)単独で開始する。
  • 70歳未満でグレードⅠまたはⅡ群の患者ではステロイドパルス療法+経口GC、若年者ではステロイドパルス療法+経口GC+シクロホスファミド(CY)で治療開始する。
  • 70歳以上または透析施行中のグレードⅢまたはⅣ群の患者では、ステロイドパルス療法+経口GC、高齢者では経口GC単独の治療を考慮する。
  • 70歳未満でグレードⅢまたはⅣ群の患者では、ステロイドパルス療法+経口GC+CYを基本とするが、腎機能、合併症を勘案し、治療法の選択をする。
  • 抗GBM抗体とANCAが同時陽性の場合、RPGNの治療指針における抗GBM抗体型RPGNの治療を行うことを基本とする。
    注):高度腎機能障害例に対して、血漿交換療法の施行が腎予後改善に良好との海外の結果があるが、わが国のANCA関連腎炎では、血漿交換療法追加による腎予後、生命予後とも改善を認めていない。
図4 ANCA陽性RPGNの治療指針
*高齢者ではステロイドパルス療法(MP)を行わないなど、さらにもう1ランク弱めた治療法も考慮される
(急速進行性腎炎症候群の治療指針 第二版)
表8 臨床所見のスコア化による重症度分類
スコア 血清クレアチニン
(mg/dL)*
年齢(歳) 肺病変の有無 血清CRP
(mg/dL)*
0 [ ] < 3 < 60 なし < 2.6
1 3 ≦ [ ] < 6 60~69 2.6~10
2 6 ≦ [ ] ≧ 70 あり > 10
3 透析療法
臨床所見学的重要度 総スコア
Grade I 0~2
Grade II 3~5
Grade III 6~7
Grade IV 8~9
(急速進行性腎炎症候群の治療指針 第二版)
表9 ANCA陽性RPGNにおける各患者群の生命予後および腎生存予後
70歳以上または透析施行中のグレードⅠまたはⅡ群の患者
生存率(%) 腎生存率(%)
治療法 症例数 6カ月 12カ月 6カ月 12カ月
経口GC 30 87.4 81.5 96.7 96.7
MP+経口GC 58 84.6 84.6 92.1 92.1
経口GC+CY 4 0 0 - -
MP+経口GC+CY 14 92.9 82.5 92.9 92.9
70歳未満でグレードⅠまたはⅡ群の患者
生存率(%) 腎生存率(%)
治療法 症例数 6カ月 12カ月 6カ月 12カ月
経口GC 20 100 100 93.8 83.3
MP+経口GC 78 92.6 90.7 88.7 88.7
経口GC+CY 5 60 60 - -
MP+経口GC+CY 19 100 100 100 100
70歳以上または透析施行中でグレードⅢまたはⅣ群の患者
生存率(%) 腎生存率(%)
治療法 症例数 6カ月 12カ月 6カ月 12カ月
経口GC 23 60.3 48.2 72.1 72.1
MP+経口GC 31 73.6 62.3 57.9 57.9
経口GC+CY 1 - - - -
MP+経口GC+CY 5 60 70 0 0
70歳未満でグレードⅢまたはⅣ群の患者
生存率(%) 腎生存率(%)
治療法 症例数 6カ月 12カ月 6カ月 12カ月
治療法 症例数 6カ月 12カ月 6カ月 12カ月
経口GC 3 100 100 50 50
MP+経口GC 11 81.8 46.8 41.7 41.7
経口GC+CY 1 0 0 - -
MP+経口GC+CY 4 75 75 100 100
MP:methylprednisolone
(進行性腎障害RPGN分科会調査)

【参考】BVAS

  • ANCA関連血管炎の疾患活動性の評価法としてバーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS)が汎用されている(表10)。
  • ANCA関連血管炎の治療開始時にはBVASによって活動性評価をし、病態を把握しておくことが重要である。
  • BVASは「治療効果の評価」にも使用される。
表10 BVAS 2003
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