ANCA関連血管炎による症状

ANCA関連血管炎による症状

全身症状

  • ANCA関連血管炎は小型血管炎の一つであり、全身症状として発熱・体重減少・脱力感、全身倦怠感などがみられる。

臓器症状

  • ANCA関連血管炎は全身症状に加え、全身の多臓器の症状が同時に、または順次にみられるのが特徴である。臓器症状は罹患血管の傷害による虚血や出血の症状であり、罹患血管の部位により差があり、症状は多彩である(表3)。
  • 皮膚:網状皮斑、皮下結節、触知可能な紫斑、皮膚潰瘍などがみられる。
  • 末梢神経:多発性単神経炎は当該神経を養う小動脈の血管炎の症状であり、初期には感覚障害(知覚過敏、知覚鈍麻など)が出現し、進行すると運動障害が併発し下垂足や下垂手となることがある。
  • 腎臓:糸球体腎炎、傍尿細管毛細血管炎をきたし、血尿、蛋白尿、円柱尿を認める。
  • 肺:肺胞出血、間質性肺炎などをきたし、血痰、咳、息切れなどがみられる。
  • 心臓:心筋炎、不整脈などの症状が認められる。
  • 眼:網膜出血、強膜炎などがみられる。
  • 消化管:潰瘍や出血がみられる。
  • 漿膜:心膜炎、胸膜炎などがみられる。
このようにANCA関連血管炎では全身の臓器が傷害されるため、患者さんの数は少ないにもかかわらずその診療には幅広い領域の診療科が携わることになる。
 なお、上記の臓器のうち「皮膚、末梢神経、腎、肺」の4領域に関しては、各専門医による詳細な解説が別項に掲載してあるので、参照していただきたい。
表3 小型血管の傷害による臓器症状
臓器 症状
皮膚 網状皮斑、皮下結節、紫斑、皮膚潰瘍、指端壊死
末梢神経 多発性単神経炎
中枢神経 脳梗塞、脳出血
網膜出血、上強膜炎
腎臓 壊死性(半月体形成性)糸球体腎炎
心臓 心筋炎、不整脈
肺胞出血、間質性肺炎
消化管 消化管潰瘍、消化管出血
漿膜 心外膜炎、胸膜炎
筋肉 筋痛
関節 関節痛
(尾崎承一:血管炎症候群;日本臨牀 2010, 606-610. より引用改変)
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