vol.4 整形外科-呼吸器内科編 in高知
Chapter. 4 EGPAの連携診療について

Q. EGPAの治療と管理には、専門医との連携診療が欠かせないと思われますが、まずはプライマリ・ケアにおける課題とその取り組み方についてお聞かせください。

時岡先生
 これは最初の取り掛かりに過ぎないと思いますが、EGPAのプライマリ・ケアに当たる可能性の高い整形外科医が、まずはこの疾患についての知識を得ることが大事だと思います。当科でも、今日お話しした3例については研究会や関連する学会、また論文などを通して報告し、広く周知を図りたいと考えています。
浦田先生
 EGPAの急性期治療は緊急性が高いですが、同時に治療による予後改善も期待できます。呼吸器内科医だけでなく、神経内科医であればEGPAに関する知識もお持ちだと思います。そのため、痺れなどがあれば本当は神経内科を受診されることがベターなのですが、整形外科を最初に受診されることが多いと思います。そうなると、やはり時岡先生のようなEGPAをよく理解されている整形外科医を全国に増やしていくことが、今後の課題になるのではないでしょうか。
時岡先生
 痺れや麻痺が急速に進むと、最初に対応に当たるのは整形外科、もしくは脳神経外科です。神経内科がある施設でも、やはり整形外科医が鑑別診断していくことが重要だと思います。
浦田先生
 患者さんは喘息などで呼吸器内科を受診した際に、下肢などに痺れがあっても訴えることはまずありません。胸を診る先生に足腰の話をしてもしょうがない、という意識なのですね。
時岡先生
 患者さんはEGPAのことをよくご存じない近所の整形外科を受診されて、症状がどんどん悪化し、やがて麻痺が出現して当院のような急性期施設に救急搬送されるケースが出てくるわけです。EGPAの鑑別診断や対応が可能な整形外科医の存在は、今後もますます重要性を増してくるのではないでしょうか。

Q. EGPAにおける連携診療について、課題やご意見をお聞かせください。

時岡先生
 総合病院などの一施設に限ってお話しさせていただきますと、総合診療科もしくは総合内科などを開設し、そこがEGPA患者さんの最初の窓口として適切に機能していくことができれば理想的だと思います。
 また、今回お話しした症例はみな、救急搬送された患者さんに当科がプライマリに対応し、直ちに呼吸器内科にコンサルトしたことが奏効しました。こうした横の連携が極めて良好なのは当院の良い点だと自負しています。逆に、院内の連携がスムーズにいっていない施設であれば、整形外科の中だけで診断に難渋し、そのまま重症化する恐れは否定できません。EGPAの未治療例では、半年以内の死亡率が約50%という報告もあり、最悪の結果も招きかねません。EGPAのような多臓器に障害がわたる疾患の診療は、院内各科の連携がスムーズに行われるような病院環境ならびにシステムを整えることが、非常に重要だと思います。
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