Vol.3アレルギー科-呼吸器科編 in広島
EGPA患者さんにおける喘息管理について

Q. EGPA患者さんの喘息の特徴をお聞かせください。

保澤先生
 EGPA患者さんの喘息の特徴としては、もともと中等症から重症である、もしくは急激に重症化するということが挙げられます。そのため、喘息のコントロールが急に不良になった場合などもEGPAの発症を疑う必要があります。なお、喘息の治療では重症持続型の患者さんに、高用量の吸入ステロイド(ICS)や長時間作用型β2刺激薬(LABA)などに加えて、全身性の作用を持つ経口ステロイドを投与することもあり、そこまでの治療を必要とする方の中にはEGPA患者さんが潜んでいる可能性もあります。そのため、喘息患者さんにはEGPAの可能性を念頭に置いて診療し、すでに経口ステロイドが投与されている方が受診された場合は、薬剤の減量についても慎重に行う必要があります。ステロイドによって血管炎症状がマスクされており、減量の過程でEGPAが発症してくることも十分考えられるからです。
 当院のようなプライマリケア施設では、喘息一つ取っても、本当にいろいろなタイプの患者さんが受診されます。そのため、日常診療ではEGPAを始めとして多種多様な疾患の可能性を考え、的確な診断につなげられるよう、患者さんの訴えを漏らさず拾い上げるアンテナを常に広げておくことが大事です。

Q. EGPA患者さんの喘息治療における注意点をお聞かせください。

保澤先生
 EGPA患者さんの場合、喘息の最重症である重症持続型の治療ステップ4と同レベルの治療を要します。ステロイドにしても、ICSに加え、全身作用性の経口ステロイドが必要になります。ところが、概してEGPA患者さんでは、経口ステロイドが投与されているために、ICSの服薬がおろそかになりがちなので要注意です。ICSの服薬アドヒアランスが悪い患者さんは、見かけ上は何ら問題ないのですが、風邪を引いた場合などに喘息症状が急激に悪化することがあります。
 重要なのは、患者さんの身体を症状の出ないギリギリの状態にせず、防衛ラインを常に高く保っておくことです。それには、ICSをしっかりと服薬することが大事です。その意味からは、EGPAの治療においては、ICSも含めた服薬継続の意義とモチベーションを維持・向上させる服薬指導をきちんと行うことも、課題の一つといえます。

Q. EGPA患者さんのステロイド管理についてお聞かせください。

保澤先生
 EGPAおよび喘息の薬物治療の基本は、ともにステロイド投与です。EGPAにおいて、喘息症状と血管炎による全身症状は深く関連づいており、薬物によるコントロールがうまくいかないと、両方が悪化してしまいますが、ステロイド投与では減量のさじ加減が悩ましいところです。PSLを症例によって40~60mg/日経口投与から開始し、ほとんどの症例で10mg/日くらいまでは治療計画通りに減量が可能です。ところが問題はその後で、状況をみながら細かく減量していきますが、投与量が1mg違うだけで、患者さんの病状が大きく変わることがあります。
 経験上は、8~7mg/日がボーダーラインとなり、本来は5mg/日投与によるコントロールが理想的ですが、現実には7mg/日投与まで減量を達成できれば及第点ではないかと思っています。免疫抑制剤に関しては、急性期や重症例などにはステロイドと併用することもありますが、寛解導入し、病状が安定すれば休薬します。
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