Vol.2 呼吸器内科-神経内科編 in新潟

Q. EGPA診療における新潟県内の医療連携体制についてお聞かせください。

長谷川先生
 新潟県内の呼吸器内科診療においては、当院の呼吸器・感染症内科を中心としたネットワークにより、県内の呼吸器内科医は症例の相談を当院などの高度専門医療施設に迅速に行うため、診療情報や専門的な助言をいつでも受けることが可能です。そのため、EGPA症例の多くは受診された施設で治療を完結できることが多いですが、重症例や最重症例は当院へ紹介され、専門的治療を受けることができます。
 こうした点において、新潟県はEGPAの医療連携に関しては、充実したシステムを備えていると思います。
河内先生
 神経内科も同様です。新潟県の神経内科診療の歴史は古く、他県に比較し神経内科医の数も充足しています。各医師は地域の拠点病院に配置されており、そこで呼吸器内科とコミュニケーションを取りながら連携し、各施設で治療を完結されています。重篤な例や最重症例では、やはり当院への紹介が行われます。

Q. EGPA の専門医が不在の地域では、どのように診療すべきでしょうか。ご要望などがあれば、併せてお聞かせください。

長谷川先生
 やはり、EGPAの症例経験のある施設に相談していただくのが一番良いと思います。あるいは、ANCA関連血管炎のオピニオン・リーダー的な施設が、インターネットなどで症例のコンサルトを受け付けるようなシステムを構築していただくのも有用だと考えます。
河内先生
 神経内科も同様です。本疾患でも中核施設や先進的な施設が、全国規模でのサポートを手がける試みも重要です。

Q. EGPA診療における医療連携について、課題などがあればお聞かせください。

長谷川先生
 以前、他院から腰部の神経痛で入院していた患者さんをコンサルトされたのですが、それはEGPA診療における医療連携の問題を考えるうえで、非常に印象的なケースでした。その方は足の痛みで、私が助勤で週1回訪れている病院の整形外科に入院していました。MRIなどでも痛みの原因が不明で、好酸球数が増加している、ということでコンサルトを受けました。診断結果はEGPAだったのですが、驚いたことに、その方は以前に私が喘息を治療し、その後通院中断されていた患者さんだったのです。
 この例から考えられることですが、色々な症状を呈して色々な診療科を受診している方の中に、EGPA患者さんが含まれていると思われます。四肢の痛みについてですが、そのような患者さんを診察する必要のある整形外科の先生方には、整形外科的に証明できない痛みがあり、かつ好酸球数の増加がみられたら、EGPAなどを疑い専門医に紹介するなどして、連携治療に当たるよう啓発することが必要なのではないかと思います。
河内先生
 私も同意見です。実際、整形外科から紹介されてくるEGPA患者さんは多いです。整形外科医は日常、患者さんの痛みと向き合い、神経損傷などのケアにも関わっています。こうした「神経」や「痛み」に関わりの深い診療科に向けた医療連携の重要性の啓発は重要なことだと思います。
 当院では、EGPAの診療においては喘息の増悪時には呼吸器・感染症内科、末梢神経障害の増悪時には神経内科がそれぞれ主体となって治療に当たっておりますが、必ず両科がコミュニケートしながら患者さんに接するようにしています。
page top