Vol.1 血液・免疫科-呼吸器内科編 in仙台

Q.呼吸器科医としてのご経験から、EGPAを見逃さないためのポイントについてお聞かせください。

三木先生
 喘息もしくは副鼻腔炎に加えて血管炎を疑う症状が出た場合には、たとえMPO-ANCAが陽性でなくても、診断基準となっている主要所見や参考となる検査所見で異常が認められればEGPAを積極的に疑うという姿勢が大事だと思います。外来通院中に、以前と比べて好酸球やIgE値が増加していることはヒントとなります。呼吸器内科だから呼吸器しか診ないということはくれぐれも避けるべきで、疑い例に対しては皮膚や神経などの所見もきちんと評価することが重要です。血管炎の症状に関しては、BVAS(Birmingham Vasculitis Activity Score)を参考にすると、見落としが避けられると思います。
 殊に、喘息ではステロイド治療により病状が修飾されているので要注意です。よくよく聞くと、何年も前から血管炎を疑うような症状が出たり消えたりしていたとおっしゃる方もいますので、早期には診断がなされておらず、だんだんと病態が進行してしまうケースもあるのではないでしょうか。そのため、喘息や副鼻腔炎の患者さんに対しては、外来受診ごとにEGPAに移行していないかどうかを常時懸念することが、見落とさないためのポイントといえます。

Q.専門医として、呼吸器内科、あるいは喘息治療に当たっている先生方に、EGPAを見逃さないためのアドバイスをお聞かせください。

石井先生
 EGPAの臨床症状などをきちんと把握していれば、疑い例の多くは比較的容易に確定診断をつけることが可能です。ただ難しいのは、血管炎の症状は患者さんが申告しなければ分からないものが多いことです。そもそも「血管炎」という疾患自体の理解が患者さんに普及しておらず、しびれなどの血管炎症状があったとしてもそれは喘息とは関係ないと思い込み、話していない方がほとんどです。こうした点もEGPAを見つけづらくしている一因ではないでしょうか。
 そのため、呼吸器科医から喘息患者さんに対して、EGPAという疾患についての啓発を行っていただくことも、早期発見のためには重要なポイントです。たとえば、喘息患者さんに、診察時にご自身に現れた症状を記入していただくアンケートのような問診を実施することで、血管炎の症状に気付くきっかけになるかもしれませんし、それを基に患者教育の機会につなげることができるかもしれません。
 患者さんから血管炎症状について話してくれるとは思わず、症状については医師側から聞いてあげることが、EGPA早期診断のための重要なポイントだと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
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