Vol.1 血液・免疫科-呼吸器内科編 in仙台

Q.EGPAの専門医への紹介の実際についてお聞かせください。

三木先生
 専門医へ紹介するパターンは2つあり、一つはEGPAを疑っているけれども診断が困難な場合です。当院には皮膚科、神経内科、耳鼻咽喉科、循環器科、消化器科もありますので、総合的にみて診断がつけば治療を開始できるのですが、そうでない症例では治療戦略に躊躇しかねません。石井先生のような専門医に診断を確定していただくために紹介しております。
 もう一つは、EGPAの診断がついて治療を開始したにもかかわらず、治療に難渋してしまうケースです。呼吸器以外に問題がありコントロールが難しい場合や、シクロホスファミド静注療法を何回行うべきか、ステロイド減量のタイミングに迷うケースでは、専門医にお任せするのが妥当と判断し即時紹介しております。紹介にあたっては、「免疫に関する専門の施設でさらに詳しく検査して、より良い治療方針を立てて治しましょう」と患者さんにはご説明申し上げております。
石井先生
 重要臓器への対処はもとより、直接命にかかわらなくても、残存すると患者さんのその後のQOLを大きく低下させてしまう神経障害などへの対処には、専門的知識の集約が強く求められます。特に、非典型例の場合は鑑別診断にも細心の注意を払う必要があるので、EGPAにおける医療連携は紹介のタイミングも非常に重要です。

Q.受け入れ側の専門医としては、医療連携についてどのような考えで取り組んでおられますか。

石井先生
 EGPAは喘息がベースにあり、発作を繰り返すことも多いため、呼吸器科医による細かな薬剤調整と管理が必須です。一方、血管炎は急性期は別として、ある程度症状が落ち着けば3ヵ月毎に外来でチェックし、コントロールするなど、両者の治療スパンと対応方法は各々異なります。
 われわれ膠原病専門医が、喘息を呼吸器科医のように細かく管理することはできませんので、患者さんを紹介いただいた呼吸器科医には、お戻しした後もかかりつけ医として日常的に管理していただくことが何より重要です。その点からも、EGPAにおける医療連携とは、専門医への紹介という一方通行で終わるものではなく、専門医と呼吸器科医が役割を分担し合いながら、同じ患者さんに向けて各々の医療を提供していくことといえます。そのためわれわれも、血管炎症状が落ち着いてお戻しした患者さんに対しては、「これからも呼吸器科を定期的に受診してくださいね」とお願いするのが常です。
三木先生
 当科でも、お戻しいただいた患者さんに対しては喘息のコントロールを継続し、再度血管炎症状が悪化したらすぐに石井先生にご相談します。その辺りは、お互い得手不得手をよく理解していますので、うまく連携できているのではないかと思っています。
石井先生
 医療連携については、紹介元の先生のご理解やご負担などを考え、役割分担を個々で配慮することも必要だと考えます。

Q.医療連携をスムーズに行うポイントについて、ご意見をお聞かせください。

三木先生
 EGPAという疾患に関する情報量や経験数は、呼吸器科医の中でもまちまちです。多くの医者が十分な知識を習得し、共通の理解と意識とを有していることが大事なのではないでしょうか。それには、石井先生のような専門医にハブ(拠点)としての役割を担っていただき、EGPAについての講演を行っていただいて、みんなでディスカッションするのも一法かと考えます。
石井先生
 小規模でもいいから、実際に顔を合わせながら話をする機会を多く設けるのも良いと思いますね。リウマチ・膠原病の領域では、生物学的製剤による治療のために、地域の整形外科医と専門医がそうした会合をもつ機会も最近では増えています。EGPAの早期診断・治療にも同じことが有用かもしれません。
三木先生
 大いに賛成です。EGPAの診療を通じて医師同士がコミュニケーションを図ることにより、お互いへの理解も深まり、さらにスムーズな医療連携が実現すると思います。
石井先生
 EGPAは、先述のように初期治療が非常に重要な疾患ですので、少しでもEGPAを疑ったら、ぜひ早めに専門医へ紹介していただければと願います。
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