主要症状 |
- 上気道(E)の症状
鼻(膿性鼻漏、出血、鞍鼻)、眼(眼痛、視力低下、眼球突出)、耳(中耳炎)、口腔、咽頭痛(潰瘍、嗄声、気道閉塞)
- 肺(L)の症状
血痰、咳嗽、呼吸困難
- 腎(K)の症状
血尿、蛋白尿、急速に進行する腎不全、浮腫、高血圧
- 血管炎による症状
- 全身症状:発熱(38℃以上、2週間以上)、体重減少(6ヵ月以内に6㎏以上)
- 臓器症状:紫斑、多関節炎(痛)、上強膜炎、多発性単神経炎、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)、消化管出血(吐血・下血)、胸膜炎
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主要組織所見 |
- E、L、K の巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性炎
- 免疫グロブリン沈着を伴わない壊死性半月体形成腎炎
- 小・細動脈の壊死性肉芽腫性血管炎
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主要検査所見 |
Proteinase-3(PR-3)ANCA(蛍光抗体法でcytoplasmic pattern,C-ANCA)が高率に陽性を示す
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判定 |
- 確実(definite)
- E、L、Kのそれぞれ1臓器症状を含め主要症状の3項目以上を示す例
- E、L、K、血管炎による主要症状の2項目以上と主要組織所見(1)、(2)、(3)の1項目以上を示す例
- E、L、K、血管炎による主要症状の1項目以上と主要組織所見(1)、(2)、(3)の1項目以上およびC(PR-3)ANCA陽性の例
- 疑い(probable)
- E、L、K、血管炎による主要症状のうち2項目以上の症状を示す例
- E、L、K、血管炎による主要症状のいずれか1項目および主要組織所見(1)、(2)、(3)の1項目を示す例
- E、L、K、血管炎による主要症状のいずれか1項目とC(PR-3)ANCA陽性を示す例
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参考となる所見 |
- 白血球、CRPの上昇
- BUN、血清クレアチニンの上昇
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鑑別診断 |
- E、Lの他の原因による肉芽腫性疾患(サルコイドーシスなど)
- 他の血管炎症候群(顕微鏡的多発血管炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、結節性多発動脈炎など)
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参考事項 |
- E、L、Kのすべてがそろっている例を全身型、E、Lのうち単数もしくは2つの臓器にとどまる例を限局型と呼ぶ
- 全身型はE、L、Kの順に症状が発現することが多い
- 発症後しばらくすると、E、Lの病変に黄色ブドウ球菌を主とする感染症を合併しやすい
- E、Lの肉芽腫による占拠性病変の診断にCT、MRI、シンチ検査が有用である
- PR-3 ANCAの力価は疾患活動性と並行しやすい。稀にMPO‐ANCA(P-ANCA)陽性を認める例もある
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