- EGPA症例の多くは血管炎症状発症時に明らかな病理学的血管炎所見がないことが多いため、早期に診断し早期に治療を開始することが後遺症防止に有用である。
- 厚生労働省によるEGPAの診断基準を表11に示す。
- 鑑別疾患としては多発血管炎性肉芽腫症(GPA)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、結節性多発動脈炎(PAN)があげられる。
表11 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)の診断基準
主要所見 |
- 気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎
- 好酸球増加
- 血管炎による症状[発熱(38℃以上、2週間)、体重減少(6ヵ月以内に6kg以上)、多発性単神経炎、消化管出血、紫斑、多関節痛(炎)、筋肉痛、筋力低下]
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臨床経過の特徴 |
主要所見(1)(2)が先行し、(3)が発症する。
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主要組織所見 |
- 周囲組織に著明な好酸球浸潤を伴う細小血管の肉芽腫、またはフィブリノイド壊死性血管炎の存在
- 血管外肉芽腫の存在
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判定 |
- 確実
- 主要臨床所見のうち気管支喘息あるいはアレルギー性鼻炎、好酸球増加および血管炎による症状のそれぞれ一つ以上を示し同時に、主要組織所見の1項目を満たす場合
- 主要臨床所見3項目を満たし、臨床経過の特徴を示す場合
- 疑い
- 主要臨床所見1項目および主要組織所見の1項目を満たす場合
- 主要臨床所見3項目を満たすが、臨床経過の特徴を示さない場合
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参考となる所見 |
- 白血球増加(1万/μL)
- 血小板数増加(40万/μL)
- 血清IgE増加(600lU/mL以上)
- MPO‐ANCA陽性
- リウマトイド因子陽性
- 胸部X線所見にて肺浸潤影
(これらの検査はすべての例に認められるとは限らない)
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(尾崎承一, 他(編). ANCA関連血管炎の診療ガイドライン, 厚生労働省難治疾患克服研究事業, 2011より改変)